(下書きのままにしていた文章を投稿します。続きを書こうと思っていたけどもう思い出せない)
食っても笑ってもマスターベーションしても死にそうな米文学講師の最期の一週間
冒頭、汚い部屋でゲイ・ポルノを観ながらゼーゼー言ってる汗まみれのハゲた巨漢が現れて、私は一体何を観させられるのかとパニックになった
主人公チャーリーは学生や娘に対して、絶えず「自分の本心を書け」と言い続ける
他の人の考えをなぞるのではなく、自分の心から出た文章を表現しなさいと
冒頭とラストで読み上げられる『白鯨』のエッセイをなぜあんなに主人公が大事にしていたかと言うと、あれが娘の飾らないありのままの気持ちを表した文章だったからだと思う
対して新興宗教の伝道師をやってる男の子が語るキリストの素晴らしさは、あくまでも教会からの借り物であって、あの子自身の気持ちや考えというものが無い
だからチャーリーには彼の言葉は響かない
娘・エリーはチャーリーに薬を盛って眠らせている間に、宣教師トーマスに大麻を吸う様にそそのかすが、このシーンが良かった
キリスト伝道者という肩書きを持つ人がバツが悪そうに大麻を吸うのを見てからかうエリーは相当性格が曲がっているが、「私は常に正しく清廉です」と言う人が教義に反する事をやってるのを見るというのは罪深い面白さがあると思う
このトーマスというキャラクターに信仰心の厚いアロノフスキー監督の感じている、宗教への欺瞞か何かが描かれている気がする