くらげもち

ザ・ホエールのくらげもちのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

予告でブレンダン・フレイザーの演技に心を打たれ 本編鑑賞。
白鯨との繋がりはいまいち理解しきれなかったので…少し捉え方が違うかもしれませんが個人的な感想だけ。

主人公にとっては命が尽きることよりも生きる事のほうが辛かった
きっと誰より純粋で前向きだったからこそ 正しいと思って進んだ道で挫折し心が壊れてしまったのだろうと思う。

自分に何か出来る、誰かの支えになれると思って信じる道を進んだが 結果良い方向には進まなかった…
そして純粋だった彼の心は壊れてしまった





――私は信じたいんだ
人生でたった一度だけ正しいことをしたと――






誰かの役に立ちたかったからこそ 誰かの力になれたという証明が欲しかったのだろう

職業的に見ても きっと誰よりも人と関わること、内面を見つめることが好きな人だったのかなと思う


私はおぞましいか?
(正直な心に従い 周りの宗教観や皆とは違う同棲愛の道を選び 最愛の人を苦しめてしまった私は)おぞましいか?
(きっと自分にしか救えないと思った愛する人のために 彼と生きる道を選んだ私は)おぞましいか?
(苦しみ悶えた結果 希望が見えず過食に走って太り病んだ私は)おぞましいか?

周りと違う私は…無関心ではなく自己を貫き行動した結果 壊滅の道へ進んだ私は おぞましいのか…。


純粋だったからこそ 彼は何かを完全に切り捨て 何かを完全に成し遂げようとする道に進んだ
結果 0か100かしか得られず 失敗した時の代償が重く自分にのしかかり耐えきれなくなった

元妻との会話で 娘の親権争いは激しかった―と聞く限り
彼は娘を捨てたのではなく 捨てざるを得なかったのだろう…と思った。


ラストの展開に少し置いてきぼり感を感じ 娘を最高な作品だ という表現は少し腑に落ちませんでしたが…
生き辛さを感じ 孤独と共に苦しみ悶える主人公の姿が生々しく 観て良かったと思える作品だった

ラストと同じように 正直に生き 闘って傷ついてしまったブレンダン・フレイザーが救われることを願います…
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