ななつ

ハッチング―孵化―のななつのレビュー・感想・評価

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)
5.0
面白い
掛け値なしにこれは面白い
びっくり
期待していなかった分面白くてちょっと興奮してます
少し落ち着いたら点数は下がるかもですが一先ず満点です

柔らかくて優しい色に囲まれた美しくぶっ壊れた世界がいいです
ひとつひとつの考え抜かれた場面が帯びる意味合いがたまりません

なかでも母の描写がいいですねええええ
見る側を感情的にあおらない全体のセンスが特に母の描写に表れてますね
胸元を大きく開けたブラウスも前歯全開の笑顔も誰も何も言わないけれどグロテスク
配役も見事です
弟のちょっと老けた顔とか父に似すぎていることとか軒並みべらぼうに美しい少女たちとかもうね

主演のシーリ・ソラリンナはオーディションで選ばれた新人
監督ハンナ・ベルイホルムは長編デビュー
それでこの出来栄え
何て素敵なんでしょう

原案も女性脚本も女性で監督も女性
女性たちが女性目線で作りあげる女性の物語は言葉じゃないところでびりびり来るのでほんとに


題名もたまらんですね
hatching:元々「細かい平行線を引く」という意味の英語。絵画技法としては、細かく或いは粗く平行線を引き重ねていくことで、絵に重厚感を与えることができる技法として知られている。
ある指定された範囲を斜線や特定の模様で埋めること。
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