おはぐ

フォーリング・フォー・クリスマスのおはぐのレビュー・感想・評価

2.4
ホテル王の娘で甘やかされて育ったシエラは、インスタグラマーで婚約者のタグからプロポーズを受けた直後、不慮の事故で記憶喪失になってしまう。記憶を失い、自分の名前さえも思い出せないシエラは身元が分かるまで近隣でロッジを経営するシングルファーザーのジェイクのもとに身を寄せることとなる。街にクリスマスが近づく中、彼と彼の幼い娘アビーの世話になりながら毎日を過ごすのだが…。


リンジー・ローハン、10年ぶりの映像作品復帰作となった一作。よくあるクリスマスロマンスコメディの枠を越えない出来ではあるものの、彼女の活躍をまた映画で見ることができて素直に嬉しいと感じた。

父から“Vice President of Atmosphere (ムード統括責任者)”というほぼ名前だけのような役職を与えられ、このままではホテル王の道楽娘となってしまうと危惧している割には何もスキルがなく、記憶喪失後にジャックのホテルで無能さを十二分に発揮してしまうシエラ。ベッドメイキングをした経験がなく、ベッドカバーに遊ばれてしまう彼女はキュートで面白かったです。

父からの社会的自立だけでなく、大規模ホテルに顧客を奪われたノーススターロッジの経済的問題、SNSでのトレンド入りばかり気にしているインスタグラマーのタッドとの関係など掘り下げ甲斐のあるテーマが多くあったにも関わらず、そういった問題はあっさりとふわ〜っと片付けられてしまい、なんだかもったいないなぁと感じました。ホリデー気分を楽しむクリスマスロマンスコメディにそういった過剰な期待をすること自体が間違っているのでしょうが、リンジーの復帰作なので少し期待してしまいました。

シエラが出会い頭のジャックにココアをぶちまけられたValenyagi (ヴァレンヤギ) は、ValentinoとBalenciagaを掛け合わせた創作ブランド名…なのかな?
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