派手なアクションや奇想天外なストーリーが無くても、面白いと思える映画はたくさんあります。特に実話を基にした映画は、どんな話でも現実性において圧倒的な説得力があるため、とても興味深く面白い。とはいえ、たとえ実話ベースの映画といえど、大根役者が演技したり、映像や演出が稚拙だったりすると「つまんねー」となります。
本作「グッド・ナース」は役者が最高で演出もかなり良いので、簡単にのめり込んでしまいました。ジェシカ・チャステインとエディ・レッドメインの演技は、素でこういう人なんじゃないかと思うくらい、なりきってるというか自然というか、とてもリアルで凄かったです。映像は少々暗くて彩度も抑えられてがっつりサスペンス調ですが、アングルも照明もレンズのボケ感も個人的に好みだったので、映像だけでも楽しめました。
映画の序盤はアメリカの医療保険や生活実態を問題にしたストーリーなのかなあと思ってたら緩やかに事件に発展し、淡々とクライマックスを迎えてそのままひっそりと終了。映画を面白くするために、話を盛った印象も無いように思う。
見終わってスッキリする映画では無いし、観る人によっては退屈に感じる映画かもしれませんが、この映画が本来の事件を正確にトレースした内容だとしたら相当面白い。とにかく演技が素晴らしく、やたら緊張感のある映画でした。
