なくいら

キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性のなくいらのレビュー・感想・評価

4.1
映画を愛する者として、また、自身も"裏方"として働く身として、作品に携わる職業にまつわるドキュメンタリーは、大変興味深い。

今作は、正にキャスティングの裏側を色々知れて、楽しい作品だった。

豪華すぎる出演者たちのインタビューが盛り込まれている点からも、マリオン・ドハティという人物の偉大さを見て取れる。



私の場合、映画業界ではなくアニメ・ゲーム業界の裏方であるが、本当に、マジで、キャスティングは大事。
予算の問題も、スケジュールの問題も、殆ど演者次第である。
"求めているものをすぐに出してくれる演者=お金も時間もかからずポスプロを丁寧に行える"ので、自ずと完成度を左右する。

そしてもちろん、興収にも影響する。


オスカー問題については、もちろん評価されるべきではあると思うけど、同じく"裏方"として働く私が、超個人的・超主観的意見を言うと、別に賞なんてそんな華やかなものいらないと思うんだよね。
表舞台で、スポットライトを浴びたければ、そういう仕事をすればいいし、賞をあげるべきだって言ってる人たちは、その表舞台を知ってる人たちで、表彰されることにアイデンティティを持っているからそう言うんだと思った。
私たち"裏方"は、仲間から信頼されていて、良い作品を作ることに携われる、それだけで充分やりがいを感じている。

いや、欲しい人もいるとは思うけどね。
なくいら

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