いの

オリエント急行殺人事件のいののネタバレレビュー・内容・結末

オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アルバート・フィニー版ポワロ

デビッド・スーシェ(ドラマ)版、ケネス・ブラナー版も視聴したが、本作が一番人間の心情に気づきつつ無視するタイプのポワロ。一番紳士っぽくないというか俗人っぽい。テーブルマナー大丈夫じゃない。そして何よりつまらない諍いで後ろから刺されないか心配。

誘拐事件の存在を冒頭で出してきたのは初めて観た。

作中を通してポワロの心情の揺れはあまりないが、しかし最後の乾杯のシーンがよかった。
ある人は安堵の表情で、またある人は罪の意識か硬い表情でグラスをかわしていく。「安易な回答」で事件を決着させることを否定も肯定もせずにその場を立ち去り、真相に気付きつつもそれを黙殺するポワロ。
そのシーンにポワロの感情と人間性を一番感じた。

デビッド・スーシェ版は一番紳士然としていて「正義」とは何かを追い求める。オリエント急行のストーリー上では(3人の中で)一番葛藤してそうなポワロ。
ケネス・ブラナー版は一番感受性が高そうなポワロ。併せて観るととても面白いと思う
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