ひなち

カリガリ博士のひなちのレビュー・感想・評価

カリガリ博士(1920年製作の映画)
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表現主義映画の代表作
第一次世界大戦敗退後で社会が混乱しているなか製作公開された。
日本にはドイツでの公開から2年後に公開され、谷崎潤一郎をはじめ当時の日本人にも表現主義に関する影響を与えてきた。
無音声、白黒だからこそフィルムの色を変えて時間と場所を表しているのは秀逸!
緑は夜の野外、ピンクは早朝、オレンジは屋内かな
最初と最後は現実のシーンで中盤はずっとフランシスの妄想シーン
特徴的な舞台セットやCaligari という文字に追い詰められていくシーンは印象的で表現主義を表しているところだけれど、偏執病のフランシスの妄想シーンすべてを表現主義の手法を使って表しているのには精神疾患者と表現主義との関係性を匂わしている気もした。

フランシスの妄想シーンと現実シーンではフィルムの色も舞台セットも全て違っているので見分けることができるけれど、唯一フランシス(カリガリも)が暴れて拘束されるシーンだけは同じフィルムの色で舞台セットだったので気になる。
オチはだだの精神疾患者の妄想だったというのではないと思う。最後のシーンで何が正解で何が違うのか混乱させてくる。

ガリガリ、ツェザーリがイタリア風の名前なのは納得できるけれど、他の人の名前がドイツの名前ではなくイギリス風の名前なのは謎
海外でも売れるようにかな?
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