鍼灸師の中にはある種の超人的な能力を持つ人がいるのだと思う。施術を受けた人だけが感じる何か。ただ、それは体験した者の中でもグラデーションがある。いい翻訳者がいるとなるほどなあと思えるのだが、そこにも相性の問題が出てくる。作家であり僧侶でもある玄侑宗久が信頼していることはわかる。矢野智徳本人の言葉。落ち着いた語り口で、水と風の道を作ればよいと。実際の作業、溝を切り枝や炭を詰める…など。なんというか、施術中の指先を撮すようなものか。後半、従業員？見習い？弟子？のミスに少しだけ厳しく叱責するシーン。ここがなあ、もっと見せてほしいところだったんだけど。
