鰤鰭

NOPE/ノープの鰤鰭のネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

やっぱりUFOとか未知のものって怖いよねって再認識させてくれるホラー。子供の頃に『宇宙戦争』を観た時を思い出した。

中に乗ってる知的生命体が居てそいつらに連れ去られるとかではなく、円盤自体が生命体でそのまま捕食されるという発想が面白かった。序盤にチラチラ見えるだけでは円盤のディティールは分からないけど、後半ハッキリと姿が映るようになってからは、確かに柔らかそうな有機的な質感で、生物という説明も自然に納得できる。外観を明かす前に、内部の食べられてる最中を映すのも面白い。人工物と生物の中間のような造形がステキ。

そんなUFOに対して恐怖して逃げるんじゃなくて、チームで作戦を立てて捕獲(今回は撮影)しようとするのがUMAを対象にした探検ものの醍醐味的な楽しさがあって最高。

冒頭から血まみれのサルがシットコムのスタジオに佇むシーンや、オープニングクレジットの何かもどこかもわからない謎の材質の四角い空間、微動だにしない雲の気持ち悪さ、などなど、本当に異質な物から感じる怖さを演出として描くのが抜群に上手い監督だ。
降り注ぐコインや鍵、バルーンや吸い込まれる旗など、映像的に映えるアイテムのチョイスと後にそれが効いてくる使い方が上手い。

目を向けると危ないという設定、そして目線について強調される中で「目で見る」という行為の持つ「ものを知覚することの恐怖と好奇心」という動物的な本能を再認識する。それが未知との遭遇ホラーとマッチしていて良い。

【鑑賞回数】1
【鑑賞履歴】
・2022/8/30 🎞T・ジョイPRINCE品川【IMAX】
鰤鰭

鰤鰭