ジョーダン・ピールは観客の注意を惹きつける演出力の持ち主だし、視線を釘付けにするような絵を撮る。単なる会話シーンでも、投げやりな構図はない。
人種差別や格差社会といったいわゆる社会問題から離れたこの新作では、ピールの特質は案外シャマランに近いと気づかされた。謎の現象による導入部、伏線の張り方、オチの付け方など影響を受けているのかもしれないなーと。
「なんて馬鹿馬鹿しい光景なんだ」と登場人物が口にする、その馬鹿馬鹿しさにもハマれば膝を打つことが大いにありえるだろう。
だから、新作が来ると、やはり期待してしまう監督です。