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NOPE/ノープのhatraのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.3
率直に「白石晃士ファンの自分には堪らない作品」だった。
序盤は「SF?ディザスター?パニック?」と見方が定まらなかったが、すぐに「これはホラーの皮を被ったコメディだ」と確信。後はもうひたすら笑えた。
これは言わばプロレスのようなもので観る側のリテラシーが問われるタイプの作品だ。

要は「UFO撮るぞ!」という話なのだが…一癖ある面々の行動原理は「金」「好奇心」「浪漫」など皆人間臭さに満ちている。
そんな人々が緊張と緩和に翻弄されつつ、恐怖と笑いが同居する演出が面白い。
これらのキャラクター性、セリフ、一挙手一投足、人間臭い反応もあって物語はリアリティと説得力に溢れている。

まさにこの辺の人物配置やチューニングが白石晃士っぽいし、
物体のデザインとスケール、対する人間の滑稽さ、過去の事象の語り方なども『ノロイ』『コワすぎ!』『オカルトの森へようこそ』などを想起した。
そもそも白石晃士自身がブレアウィッチ系の監督だが「二人とも『ブレアウィッチプロジェクト』を観たから」と言ってこうはならないだろうし
ジョーダン・ピール監督が白石作品を見ずにここまで近い感性を持ってるとしたら、それはそれで興味深いシンクロニシティだ。
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