エイプリル

NOPE/ノープのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

すでにいろんな人が書いてますが、作り方がSFというよりもミステリーのそれなので、予告とか前評判を見て興味を持った人は好き嫌いが分かれそうな映画だと思いました。
個人的には結構序盤が微妙で、まず本題が始まるまでがまあまあ長いんですよね。テーマ的に仕方ないんですが、黒人の兄弟が牧場をやっていくことの窮状を説明するのにたっぷり1時間くらいかけており、「動画撮影でもしないと後がないよ!」となるまでが長すぎです。

ただやっぱりUFOの演出が始まったらかなり良かったです。そもそも雲の中に何かがいるというだけでも怖いのに、UFO内部に吸い込まれた人の断末魔まで聞かせてくれるのはなかなか良かったです。めちゃくちゃ過激なキャトルミューティレーション。
被害者の血の雨が家の上に降ったりするのもかなりド派手で良かったので、そういう演出面はかなり好きでした。あとはラストのバルーン VS. UFOの絵面、この映画以外では見れないのでおすすめです。エンドロールの色も珍しくて良かったな。

そういうUFOのアイデアとか演出は良いのに対してストーリーがあまりにも薄味に感じました。映画のスケールは大きければ大きいほど良いというつもりはないのですが、本作の場合は公開前にかなり宣伝を打っていて、それが逆効果になっているように思いました。スケールはやたらと小さいし、普通のモンスター映画です。
面白くなくはないけど、ここまで宣伝されるほどか?って思える程度には微妙な映画でした。

「興味があるものを見たい」という欲望自体の怖さの表現としてUFOを使うというのは哲学的に面白いのですが、それが映画の面白さと直結しておらず、高尚にしようとした結果B級映画に収まってしまったという感じです。
AKIRAのオマージュはめちゃくちゃ興奮した。
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