このレビューはネタバレを含みます
2024/05/05 130分
🟢レビュー
動物、障害者、黒人やアジア人(日本人含む)や様々な部族、奴隷の殺し合い、金や名声を得るため人類はあらゆる命を見世物にしてきた。
今現在も、各種メディアからSNSを使う個人までもが、承認や名声やお金を得るため、或いは完全なる好奇心によって、勝手に時には我慢を強いて見世物にしている。
カメラマンが、自身の命すらも差し出し、UFO体内を撮影したことがとても印象的。
対象に配慮することなく欲望を優先させることで様々な軋轢や被害を生む。
人種差別や人権侵害や動物利用からの重大なしっぺ返しの数々。
作中度々表現される視線のやり取りは、相手とのコミュニケーションの必要性と難しさを示唆しているのかもしれない。
作品そのものも、黒人、アジア人、スタッフ、役者を通しエンタメ界の差別やハラスメントという名の支配を皮肉っているように思える。
支配される側のアジア人であり子どもであったJupeは、時を経て支配する側となりUFO生命体を見世物にした。
支配側のお約束であるコントロールしているという驕り、これによりしっぺ返しを喰らう。
人は誰もが支配される側にも支配する側にもなり得る。
力での支配に持続性がないことは歴史が証明している。
人類の冷酷なな残虐性と愚かさ、これを認めたうえでの、お互い様、寛容、共存、尊重、これを伝えたかったのだろう。
と、私なりの考察で感じ取れたものを書いたが、目新しいテーマでもなく多くの人が理解してることだと思うので、正直それほど刺さる感じではなかった。
前半のミステリー要素は良かったものの、後半のUFO生命体のディテールやバトルは面白みに欠け地味な印象。
UFOが人間や馬など生物を喰らう生命体というアイデアは新鮮味があったものの、エンタメ性に欠けることからアイデアだけのB級感は否めず、最初からB級色を出しエンタメに振り切った方が楽しめたかも。
メッセージ性にフォーカスしているのだろうから、そこは難しいんだろうね。
🟢キャスト
●Haywood家
OJ :主 :Daniel Kaluuya
Em :妹 :Keke Palmer
Otis :父 :Keith David
●仲間
Angel:店員 :Brandon Perea
Holst :カメラマン:Michael Wincott
●テーマパーク
Jupe :オーナー :Steven Yeun
Amber:妻 :Wrenn Schmidt
🟢スコア:24年1月改定
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《5.0》ALL TIME BEST《神作》
《4.8》人生作品 《準神》
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《4.5》至高 《傑作》
《4.3》とても好き 《秀作》
《4.0》面白かった 《佳作》
《3.5》まあまあ 《良作》
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《3.0》いまいち 《凡作》
《2.5》つまらない 《駄作》
《2.0》苦痛 《愚作》
《1.0》不快 《葬作》