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琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイのmitakosamaのレビュー・感想・評価

2.9
沖縄のローカルヒーロー、琉神マブヤーの劇場板。日本全国のローカルヒーローの中でも飛び抜けた完成度を誇るシリーズだけに、映画も見応えある。
僕は先にこの劇場版を映画館で見て、後からオリジナルのテレビシリーズのファーストシーズンだけ見てるんだな。
だから「テレビとキャストが違う!」という怒りはない。元々そういう物なのかなと思ってみたからね。

でも改めて最初のテレビと比較すると、劇場版のキャスト変更はあからさまだなぁ。最初はよくわからない沖縄の地域タレントでやってたのが、全国区の沖縄出身タレントに総とっかえしちゃった。オリジナルの地元出身感が好きな人には嫌だったろうな。

主役のマブヤーになるのが山田親太朗。準主役の龍神ガナシーにISSA。敵役のハブデービルにガレッジセールのゴリ。他にも仲間由紀恵や声でスリムクラブ真栄田など。

むしろ気になったのはロケ地の変化だよ。
どちらかと言うと今映画では割と観光地化された沖縄の都市部でロケが多い。(もちろん都会といっても東京よりかはぜんぜん牧歌的なんだけど)
テレビシリーズは読谷など、生活感ある沖縄の雰囲気だったんだけど、実際の沖縄って、汚ったな狭い地域と舗装された綺麗な観光地の二極化してるんだよな。
でも観光産業に汚染されてない沖縄の方が好きなんだけどな。

それはある意味で物語ともリンクしてる。悪の軍団マジムンの目的も「人間に汚された沖縄を取り戻す」というものだったので、沖縄の観光地中心のロケはとっても皮肉に感じる。意図的かどうかは知らんが。
因に実際に沖縄の友達に聞くと、那覇のホテルとか海に汚水を垂れ流ししてるらしいし、観光産業も地元に還元されないと嘆いてる。

マブヤーのマブイ(魂)が一般人に宿される、という設定なので、琉神マブヤーが役の人が作品ごとに変われるのは便利な設定かもね。

ISSAのキャスティングが、イケメン枠としてもう一人ヒーロー・龍神ガナシー。ヒーローの資質がある龍神ガナシーと、自分に自信がない琉神マブヤーを比較させることで、主人公の成長物語を見せてる。

全体的には脚本も割としっかりしてるし、テレビシリーズの頃から映像のクオリティも高い。ヘタな特撮作品よりよっぽど見れるよ。
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