Kz氏

リボルバー・リリーのKz氏のレビュー・感想・評価

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)
3.5
元内務省管轄の諜報員、というよりはテロリストが、海軍も手玉にとって陸軍と対決する「キングスマン」みたいな話。

これが現代だと、よほどコミカルな荒唐無稽でないと見ていられないだろうが、関東大震災直後の1924年だからリアリティがある。名実ともに明治が終わって文明開化の華やかさが消えていき、2・26事件、盧溝橋事件の昭和に向かう荒涼の時代。陸海軍の確執という史実が、霧中のガントレットにまで至る「歴史離れ」に大きく寄与する。
大正末期の風景風俗、ことに、「キングスマン」同様に、スタイリッシュなモボ・モガファッションに魅せられる映画でもある。

しかし、背景を大幅に省略して、小曽根百合が女将を務める玉の井の銘酒屋が、なぜ「キングスマン」のテーラーになっているのかなどが分からないので、600ページ越えの原作を買ってしまった。
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