せりな

不思議の国の数学者のせりなのレビュー・感想・評価

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)
3.0
真新しさはないけど、韓国の社会的な側面も踏まえつつ、高校生と警備員の数学者との間に生まれる関係性がとても良かった。

数学者のキャラクター描写は、数学の先生が言いそうな感じになっていてリアルなんだけど、いちご牛乳好きとか適度に笑える描写が入っていて堅苦しくなり過ぎない所も魅力。
脱北者に関する描写や、進学校の内情とかはシビアだけど、後味の良い作品なのでバランスが取れていた。

天才数学者役のチェ・ミンシクの演技が素晴らしい。心を閉ざしている所から徐々に関係が変化してしていく様は見事で、見応えがあった。

無事に脱北できればそれで終わりではなく、韓国で生きていく事で生じる心理的な負担にも触れられている所も良かった。
せりな

せりな