フジタジュンコ

PIGGY ピギーのフジタジュンコのレビュー・感想・評価

PIGGY ピギー(2022年製作の映画)
3.0
ティザービジュアルが至高。配給がエクストリームだけあってか、スラッシャー/リベンジホラーを想起させすぎたせいで、ホラーやゴア好きの人にはちょっと期待外れの作品かもしれない(劇場で私の横に座っていたオッサンはいびきをかいて寝ていた。あげくにスマートウォッチで何度も時間を確認していた…)。

かくいう私もサラが連続殺人鬼と手を組むリベンジホラーだとばかり思っていたので、いつこの人畜無害ないじめられっ子のサラが人々を殺戮しはじめるのかと固唾を飲んで見守っていましたが、そうはならず、まっとうで実直なドラマでした。ただ、まったく退屈ではなく、ビッチどものいじめシーンはなかなかにしんどいし、サラと連続殺人鬼の微妙な心の交流、唐突に現れるワンチャン(これが一番びっくりした)と牛など、いつ何が起こるかわからないので、心地よい緊張感を保って最後まで見ることができました。
殺人鬼のおじさんが片足を引きずっていたので、そういう不具の自分をサラに投影してくれたのかなという気もしますし、そこにサラも飲み込まれそうになっていたのかなと思いますが、ここは作中で語りすぎると野暮になるのかもしれませんね。

「いつも間違ってばかりいた」というサラが、まっすぐな道を進んでいくラストは少しだけのカタルシスと、少しだけの「悪魔のいけにえ」感がありました。ただあのビッチどもはやっちゃってよかったとおばちゃんは思いますよ!!

それにしてもあんなに汚いプールで泳げるってスペイン人はおおらかですなあ…