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アイ・アム まきもとのIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)
3.4
事前情報は予告とポスターのみ、阿部サダヲを見ようと映画館へ。ほっこりコメディ映画かと思ったら、人情ヒューマンドラマでした。
鑑賞後に気づきましたが、原作はイギリスの俳優エディ・マーサン主演の映画「おみおくりの作法」で、プロットはだいたい同じ。「おみおくりの作法」は数年前にDVDレンタルで鑑賞した覚えがあるが、さほど心に刺さらずで、「アイ・アム まきもと」の方が面白い。理由は日本の田舎の風景がとても綺麗なのと、日本人の俳優さん達が出てくるので親近感が湧いて感情移入しやすかったからだと思います。
ロケ地は山形県、港町の居酒屋は新潟県村上市だそうです。役者さん達も良かったです。阿部サダヲはしっかり阿部サダヲでしたし、國村隼の貫禄は半端なく、宮沢りえはえらいキレイなアラフィフで、満島ひかりは見た目が全く老けず、松尾スズキはイイ味がダダ漏れでした。
「孤独死」がテーマなため、たぶん観る人によって感想や受け方は違うと思いますが、ストーリー自体は面白く、色々と考えさせられる内容なので観て損はないかと。また、個人差年齢差はあると思いますが「死生観」について考えるきっかけにもなりそう。
人生を単純に「生きてるか・死んでるか」だけで捉えたら「死=無(ゼロ)」かも知れませんが、人生は何かの積み重ね作業だとしたら「死=積み重ね作業がストップ」しただけで、積み上がったものはそのまま残るのかも知れません。
とはいえ何でしょう…。人生良い時悪い時あるって言いますが、その理屈でいくと半分は悪い時ですから、そりゃあ嫌なことも多いです。そんな時は無理せず、ただひたすら耐えるだけでも実は生きてる意味があるんじゃないかと思ったりします。将来自分も孤独死するかも知れませんし、無縁仏も覚悟してますが、自分が頑張ったって思えばきっと良い人生なんでしょうねえ。あ〜なんか真面目だなあ〜。
ポスター見たら気楽に笑えるコメディ映画かと思ったのに、観終わってみれば真面目な話しかできないという。ぶっちゃけ、無理して映画館で観なくてよいかも知れないけど、DVDレンタルか配信はじまったら是非観た方がよい。
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