クリーム

イル・ポスティーノのクリームのレビュー・感想・評価

イル・ポスティーノ(1994年製作の映画)
3.4
うーん、カリプソブルーの海が凄く綺麗で、自然に溢れ、島全体が詩的。ラストシーンの入り江の映像は印象深く素敵なのですが、内容が今の私にはピンと来ませんでした。
イタリア南部の小さな島の漁師の息子マリオは漁師の仕事が合わなくて郵便局で臨時の仕事をする事に。彼の郵便物の配達は、チリから亡命して来た、共産党員で有名な詩人パブロのみ。マリオは女性にモテモテのパブロに憧れを抱き、何とかパブロに取り入り、詩のノウハウを教わって、詩人としても人としても目覚めて行くお話です。
俳優であるマッシモ・トロイージは、心臓病で、撮影時には心臓移植が必要な状態でした。撮影中に倒れ、クランクアップの12時間後に心臓発作で亡くなられたそうです。魂をかけた演技は本当に素晴らしかったと思います。
ですが、この主人公が私は、苦手だし、素晴らしかったで片付けて良いのか?と思ってしまう。なので、素敵な映画なのにすんなり入って来なかった。私的にとても残念でした。




ネタバレ↓
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島がとにかく美しいので映像は本当に綺麗。マリオは、パブロに出会った事により、詩と恋を知り、世の中までも変えようとするのは、ホント良い話ですよ。だけど、まず、ちゃんと働いてくれ!バイト代程度の稼ぎで結婚ですか?ちゃんとしてから詩人になってくれ、家族を養ってから、共産党員として活動してくれ!絶対、この男、無理!彼女を口説く時の映像で『微笑みが蝶の様に広がる』って、とても素敵なのに醒める。音源の録音も良いのに…。家族を考えたら危険な集会とか出れないでしょ?考えが浅すぎて拒否反応しかなかった。こう言う男の話を美化するのは、個人的に違うと思うんですよ。
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