ととり

イル・ポスティーノのととりのネタバレレビュー・内容・結末

イル・ポスティーノ(1994年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

美しい音楽と美しい景色と美しく素敵な登場人物と詩のように美しい台詞の数々。こんなもの見せられたら感動してしまう。住んだことのない遠くナポリの島に懐かしさを覚えてしまうのは、この作品が全身で語りかけてくるからだろうか。

マリオとパブロの関係に近いものは案外と身近にあるかもしれない。マリオとパブロみたいなステキな関係ではないし、適さないしあまりに俗っぽいですが…。学校なんかでも人気者と日陰者が仲良くなって、人気者にとってはナンテコトナイ友人の一人だったけど日陰者の彼にとってはかけがえのない思い出となる。そういう日々はあるよなぁ(しみじみ)。でもそこで終わらないのがこの映画の良いところなんだなぁ…。

最後にパブロが録音機を聴くところはおもわず胸打たれたし、最後の、思い出の浜辺での場面は、とても深く重い。
口から語られる言葉がとにかくお洒落な詩人パブロが、最後に黙っているのがなんとも良いと思う。
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