団地映画で地獄家族ものだと『家族ゲーム』や『空中庭園』を浮かべますが、それとはまた一味違う嫌な感じ。そこまで鋭くもない。
この映画をパッと見た時感じたのは
ロイアンダーソン風の画面作り。
どことなくシュール空間なのは
たぶん演出と録音が大きく関係してそう。
物語はどこまでも一方通行な「断絶」を「愛」で乗り越えられるのかという問題や昭和的価値観の押し付けをグロテスクに描きつつ、主人公がどう振る舞っていくのかというもの。
演劇的な心情の変化は
あらゆる生活における暴力性を炙り出す。
妙子にディアブロの雨が降り
物語はグロテスクに閉じられる。
最後のタイトルバックからのロングショットにいやらしささえ覚えるほどでした。