この映画は冴えきっている。
遠い目をした彼女は今もどこかに少なからず存在する。
※以下一部ネタバレ含みますが鑑賞には支障なしと思われます
2020年代の肖像画ともいうべき
資本主義リア>>続きを読む
内容は春樹春樹してるんだけど
アニメのテイストが独特で
この感じ外国人にしかできないなあと
もの珍しく見た。
何かがそこを通り過ぎて
何もなかったかのように
また次の風景になる感覚。
安部公房作品を岳龍がやるということで楽しみにしていたが、看板通りそのまんま。
岳龍節というか
絶妙なB級の「ダサさ」みたいなものを
浅野や永瀬にやらせるってのが粋。
というかアリだった。
浅野のおかし>>続きを読む
表現によって救われ、自らを保ち、自らを救うために楔を打ち込み続ける。
そんな藤本タツキの作家論に共感する。
彼の絶望感とネット世代特有の冷笑主義の奥にはいつか取り戻すであろう純粋な情熱みたいなものがあ>>続きを読む
だら〜んと時間感覚を外されながら見る。
なんやかんや毎年ホンサンスによって
整わせる映画への意欲。
ぜひ毎年新作かけてください。
Roadsteadで鑑賞後、劇場で再鑑賞。
冒頭のダクト(?)を舐めるように写し
この作品の冷徹さとハッタリさ(無意味さ)を指示す。
このイントロで掴まされた。
中盤のドローンの使い方は名シーンだ>>続きを読む
フランス映画化(?)したリメイク。
どこにいっても黒沢清は黒沢清をやるわけだが
オリジナルと比べると小綺麗になってしまったものだ。
おおよそ想像するに
人類が生み出した音の中で最も恐ろしいのは収容所の煉獄の中、業火と消えていった魂の断末魔に違いない。
それは死屍累々からもはや放たれることのない「聞こえもしない」声。
ビルケナウに>>続きを読む
どこを切り取っても面白いのずるいな。
編集入ってるしドキュメントというより
切り抜きみたいに見えた。
全体を通して河合優実の力量が幅を占め
ありがちな貧困物語に強度が生まれていた。
スコアの全ては彼女の役の入り方へ。
個人的に入江悠の演出があまりハマらず
最後の最後まで違和感が拭えなかった。
最後の>>続きを読む
スポーツものは得意ではないが
そういった単なるゲームの範疇ではなく
人間関係(三角)を取り巻く問題の収斂としてテニスを描くというのがよかった
(というか上手いと思った)。
あと単純に面白かった(大事>>続きを読む
前作、前々作とはまた違うようで
似たような作風。
ギミックと社会風刺。
親父譲り。
ホラーナイトに良さそうだ。
この何も起きてなかったかのような
日常はむしろ雄弁に語り
幽霊のごとく彷徨う街も光出し
指し示す陽光が希望に見えてくる。
素晴らしい映画だった。
美術館映画。
解釈は開かれすぎているくらい抽象に満ちた作品であるが
この来るべき「新作」のためのフッテージ?ドローイング?が明かしえぬ作品を喚起する。
それは彼の死によって頓挫したのかは分からないが、>>続きを読む
なんというか2020年代の映画というか。
『ケイコ〜』でもそうだったが、三宅唱は決定的瞬間を描かない。他者に決断を強いらない。その不可能性を十分理解してる気がする。それはケアそれ自体の本質と似ている>>続きを読む
自分は映画について、記憶や時空間や音
そして奇跡的瞬間を求めている節があるので
こういう映画(特にメタ映画)にはめっぽう弱い。
今作は「奇跡」がどのように作用するかは曖昧なままであるが、深き悲しみの>>続きを読む
鬱蒼としていた暮れにぴったりの映画ではあった。
ほーん、トリアーやん、という悪態の応酬も去ることながら全部ぶっ壊したくなったんやろうな。そういう日もあるし、それは悪くないね。
カウリスマキ帰還。
それまでの総決算かのような、まるでクラシック映画のような、いつもと変わらぬような安心感。
なんだか全然映画見れてへんやん!という年の映画納めでした。
脳が壊れ、頭蓋から解き放たれるまでの
静かな現実。
喪に服するとは何とも残されたものと死者との切断(いや多くは忘れない為)の方法ではあるが
この映画のラストの積み上げたものすべてが無残なまでに「残る」>>続きを読む
広島国際映画祭にて。
待望の濱口新作。
これは再鑑賞してから採点と感想を。
タイプとしては『The Depth』に近い。
原作読了済。
映画のほうが生々しいが戯画的になってしまうのは仕方ないことかもしれぬ。
みんな目が死んだ、その向こう。
①とは違ってずっとおもろかった。
どこへ向かってるのかすら怪しいけれど。
絵画的映像が素晴らしい。
今年見たショットで抜群にいい。
物語が御伽噺なのでほっこりする。
それと同時に郷愁の念。
もっと深く深くと思ったが
ひょうきんな音楽と人物たちのことを考えれば
どうやらそう>>続きを読む