走る演出に命をかけた稀代の演出家原恵一の新たな代表作!もしかしたら河童のクゥ以降で一番良いかもしれない。
謎に異世界の孤城に集められた7人の中学生。城のどこかにある鍵を見つければ願いが一つ叶うという。この時間に集まってるってことは、どうやら全員学校に行ってないっぽいが…
この孤城自体がセカンドスクールのような感じでセラピー映画の側面も。
原作は未読だが中学生が主役ということもあり、ヤングアダルト小説みたいな趣がある。
原恵一作品のキャラデザはリアル路線で渋めなのが多いけど、今作はA-1ということもあるのか可愛いキャラデザでとっつき易いのも良い点です。だけど話は結構ハード。
前半はそれこそ原恵一らしく丁寧に描かれる分、テンポもゆっくり目ですが、後半からどんどんドライブしていきます。
ストーリーの謎部分は途中で分かるけど、そこがメインじゃありません。
ちゃんと怖くもなってくるし、走るという何でもないアクションを劇的に見せる原恵一の真骨頂が見られます!
しかも「あっ!そっちで泣かせるんだ!」というひねりもあります
小説では成立してるけど、アニメ化したら(画で見ると)若干気になるところや学校(先生)描写、作画の甘いところ、声優で気になる点は少しあるけど、それを上回る子供向け映画見てたら思わぬ感動みたいな興奮があります
渋く作りすぎた「バースデーワンダーランド」から少し心配しましたが、原恵一が全く枯れてないどころか新たな代表作を作ったと言えるでしょう