ゆを

かがみの孤城のゆをのネタバレレビュー・内容・結末

かがみの孤城(2022年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

なんとなくこの人は実はこの人なんじゃ、と思う場面は所々あり、それを終盤で確信させる構成になっていて、なんだか寂しさを助長させるというか…

皆に救われたアキちゃんが、未来で皆のことを救っているというのを知って胸が苦しくなった。
アキちゃんがストロベリーティーが好きと言っていて、喜多嶋先生がくれたのもストロベリーティーで
ウレシノくんやマサムネくんにかけてくれた言葉の節々に喜多嶋先生を感じて、
アキちゃんがかけてくれた「こころは闘っている」という言葉も喜多嶋先生そのもので
最後の最後にアキちゃん=喜多嶋先生と分かってやっぱりそうなんだ〜という気持ちになった。

オオカミさまの髪の色や髪型が、写真の中のお姉さんにそっくりだったから、きっとお姉さんなんだろうなとは思っていた。
気付かれないように、ヒントになるように狼の仮面を被っていたのかもとか、難しい話し方をしていたのだって、きっとリオンくんに悟られないようにするためだったのかもとか、色々想像してしまって、オオカミさまが少しでも幸せを感じてくれたらいいのにと、願わずにはいられなかった。
最後の「善処する」の声音が優しくて、それに応えるリオンくんの笑顔も"弟"という感じで、
その後にこころちゃんに話しかけるリオンくんの姿を見て、お姉さんはリオンくんのお願いを叶えてくれたのかもと思ったし、リオンくんはきっと覚えているんだろうなとも思った。

主題歌の「メリーゴーランド」は、MVで聴くのとエンドロールで流れるので印象が変わる。
エンドロールで聴くと「どんなに追いかけても追いつかないメリーゴーランド」や「アイシテルをもう何度 私、口にしたのだろう」がこの人からこの人の言葉なのかなとか、そんな風に考えたりもできて好きだった。
それにエンドロールではお姉さんがリオンくんを一心に想っていて、それと曲調も相まってより切なかった。
リオンくんはどんどん大きくなるのに、お姉さんはお姉さんが一番元気だったオオカミさまの姿のまま見守っていて、
最後にこころちゃんと二人で歩く姿を見ているのを見て、また同じようにこれからも見守っていくのかもと思って苦しかった。

面白かった!けど切ない。確かにハッピーエンドなはずなのに、オオカミさまのことを考えたら胸が苦しい。
ゆを

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