虚無的な日常に喘いでいる2人組の男子高校生が、互いの母親の境遇を汲み取りながら、激しい欲動の昂りを覚えていく。「友人の母」に惹かれた少年たちの性行動を描いている、新東宝配給のピンク映画。

ダブルヒロインとして、バー経営のシングルマザー（佐々木麻由子）と不満足な結婚生活を強いられている夫人（美月ゆう子）が登場。一方、2人組の男子高校生は、童貞と非童貞に分けられており、前者がドラマを牽引する役割になっている。

心の隙間がポッカリと開いている状態を双方から描きつつ、少年と友人母の同調を促していく論法。あくまでも少年視点による硬派な性愛ドラマであり、若い身体に惹き寄せられる女性心理などは強調されていない。

ダブルヒロインの熟れた女体美は言わずもがな。端役では、非童貞少年の恋人役を演じる藍山みなみが、コケティッシュな魅力を放っている（責め派のAV女優としても極上のテクニックをもっている）。まさに、シンプル・イズ・ベストともいうべきピンク映画。

福原彰脚本が観たくて観たのだが、相変わらず青臭く地の文が見える台詞はあるものの、性のある青春映画として綺麗にまとまった佳作に仕上がってると思う。

佐々木麻由子と藍山みなみが脇なら、それだけで良いかと思いながら観てたんだが、主演の美月ゆう子もどうして、幸薄い感じが良い。麻由子さんの若い身体に爛れていく騎乗位、動物のような後背位の藍山みなみ、性が役柄を語る。

こういうある程度出来上がってるホンを渡された監督の仕事としては、愚直にそれを撮るのが一番で、佐藤吏は大きく飛躍させない、腰の据わった演出で丁寧に描いて、ラストはなんちゃってでもクレーンアップも見せる。小さな事で映画を観た感が出る不思議。

本多菊次郎が絡みは無いものの大事な役で嫌な奴を好演、年頃の女子高生の移り気、悪戯っ気を見事演じる藍山たんがタマランチ。
しかし役者が皆舌足らずってのはどうなんだ。