からかす

グッバイ・クルエル・ワールドのからかすのレビュー・感想・評価

3.0
大金というマクガフィン争い群像劇かと思いきや
大金を求めざるを得ない人間たちが
堕ちていくドラマ群像劇という趣きで
サスペンスというよりヒューマンドラマ的。

なので登場する強盗団、ヤクザ、汚職警官ともに
漫画的なギョロ目ナイフ舐め舐め的チンピラ像ではなく
かなりリアル風にキャラ造形されていて
これは作風に合っていて非常に良かった部分。
特に斎藤工演じる強盗団の一員は
漫画的にしやすいキャラにも関わらず
かなり抑えた演技になっているのがとても良い。
三浦友和や大森南朋も魅力的だし
玉城ティナが可愛くてエッチで体を張ってて好印象。

また要所要所で魅力的なシーンも多く
非常に事務的に行われる強盗シーンとか
致命傷の見せ合いっこシーンとか
とてもキュートでユーモラス。

ただ全体に漂うタランティーノ感が邪魔。
特に音楽使いは露骨にタランティーノ感が強いし
もろに「パルプフィクション」の
パンプキン&ハニーバニーっぽいキャラも登場する。
その割に細部にこだわりが薄いのか
わざわざソードオフショットガン持ち出しているのに
小さな拳銃と威力が何も変わらないし
(指くらい吹っ飛ばせばいいのに)
皆殺し前に血避けにレインコート着るなら
事後の乗車ではそれ脱げよとか
タランティーノっぽいことしようとして
上滑りしてるのが非常に勿体無い。
からかす

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