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グッバイ・クルエル・ワールドのtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

2022年作品 Rating : R15+指定

ポスターのポップさと役者陣の豪華さに惹かれて鑑賞。
映画のリード文
(お客さまを劇場までお運び頂くのに書く映画紹介文。私は他所で少し書いてましたが)
がラストまでどう持ってゆくか?も確かめたくてみました。


あらすじは他に譲り。

あまり略語的な言葉を使ったり、それがかえって隠語的だったり、差別的に聞こえないか?
戸惑いはあるが、裏社会や半グレ、裏金やマネロンは駄目。

元ヤクザにだってお役目お勤め刑期終えれば、娑婆で5年ひもじく耐えれば、更生の道は本来開かれるはず。

法治国家で、差別防止法がザル法で、それ作るのに税金使って議会が開かれてる現実との対比で

裏の裏を描くこの作品の、マッドさが、
平和ボケした今の日本で、最期に笑うのは(正しく漢字を当てれば、嗤うのは、だが)だれだ?って

誰も居ないんだろうな。

笑って死ねただけ、アンハッピーエンドながら
裏社会に脅され、使い物にon demandに生きるしかなかった男も

ヤクザ抜け元ヤクザなのに、狭い町内は、
どいつもこいつもカネには群がるが、
元組員と聞くとビビって村八分

人は独りじゃ生きてはいけないはずなのに。
そこに気付くと、おいおい日本にそんなに
短銃、マシンガン、拳銃、出てきすぎだろ?!という、滑稽さは皮肉に感じるが

デカモノ、探偵もの、サスペンス以外の
古〜い任侠なものはもうコンプライアンスで
映画で描けない21世紀になってしまっていて

そこにこう来たか?!というのは
評価はしたい。

俳優陣は豪華なほどだ!

どこの街の何の裏金か?
マネロンして上納先がどこの組の
金主(きんしゅ : 資金源)なのかが分からない

筋書き通りのクズ達だけで潰し合い終わる潔さ

GSで、セルフ給油ガソスタの給油グリップから撒いた油が仮にガソリンなら
援デリねーちゃん、ライター擦った瞬間に
爆発なのに!と、失笑した。
化学考証、足りなかったか?

頭の髪の毛ごと丸焦げで謎な患者がたまに急患で夜中に来院したのを待ち構える救急隊の電話受けした事はあった。


刺されても、撃たれても、死ななかった二人の大人、共に、犬猿の因縁の中の二人が、

死にかけながら笑う最期に、
銃声一発で、海辺から空へアングルアップ。


この映画の中には、地獄は有っても、神は居ない。


紹介ではラブホよく使う風俗嬢。となってるが
援デリ(援助交際を装ったデリヘル)は、
無届は、P活同様、売春防止法違反のれっきとした犯罪
(P活はILOの禁ずる奴隷契約か?!)

そこもポスターや公式webで濁さないとならない、美しきこの法治国家に、糞食らえなストーリー

奇しくも、エルヴィス・コステロのアルバム、
Goodbye Cruel World にフックを掛けたタイトルの映画なのかな?と思いきや、

ラストの銃声音の後の曲は、
California Dreaming だった。

皮肉にも銃声一発、
敵を撃って、その後片割れはどうなったか?

また、愛を貫くために、クズから脱げ出したくて犯罪を手伝った援デリ嬢に恋した、
リークの若者も、発狂までは行かぬものの、
愛しい人の亡骸を助手席で看取り、奇声を発する。

行く先はムショ送りだろう。

夢のかけらもこの世にはないから
グッパイなタイトルなんだろうな。

狂い切った、誰かに吸い上げられて搾取されて生きる我々のこの世の中への
皮肉で厭世的ストーリーに
エンドソングがDreamingとは。これまた皮肉。

最初の派手な車、あれ、ヘッドライトがぐあーんて開く、フォード社のサンダーバードたちう車種の第7世代目、1977-1979年生産で
俗に78年ものは、トリノバード78と呼ぶの、

あのクルマ、闇夜に「白」のボディ塗装に見えたんだけど、
リード文は「ブルー」と書いてるんだよね?!

私の見間違えかな?
流血の血の色の赤に映えるなら、(血をばえるとか不謹慎すぎるが。猛省ごめんね)
自分なら白のクルマを用意しそうに感じたけど
おクルマ詳しい方、観たら教えてね!笑


この下手な評を、これまた皮肉なことに、
カリフォルニア州ロサンゼルス郊外にて書いた。

泣き笑いして涙枯れた、抜け殻の僕が独り残ったよ。


若い監督で役者でもある、大森立嗣(たつし)監督は、あの、まほろ駅前シリーズのお方!

いい役者揃い、一見の価値有り!と少しお勧めしておきます。
血みどろ、残虐苦手な方にはお勧めしません。

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監督 - 大森立嗣
脚本 - 高田亮

オープニング曲 - Bobby Womack「What Is This」(Universal Music)
劇中曲 - Margie Joseph「Let's Stay Together」(Warner Music Japan)、Wilson Pickett「Back In Your Arms」(Warner Music Japan)
エンディング曲 - Bobby Womack「California Dreamin'」(Universal Music)

製作 - 小西啓介、森田圭、甲斐真樹、小川悦司、田中祐介、石田勇、前信介、山本正典、檜原麻希、水戸部晃
企画・プロデューサー - 甲斐真樹
プロデューサー - 大畑利久、永田芳弘、高口聖世巨
ラインプロデューサー - 梅本竜矢

撮影 - 辻智彦
照明 - 大久保礼司
録音 - 髙田伸也
美術 - 堀明元紀
装飾 - 松本吉正
スタイリスト - 纐纈春樹
ヘアメイク - 豊川京子

音楽プロデューサー - 田井モトヨシ
編集 - 早野亮
スチール - 三木匡宏

助監督 - 小南敏也
制作担当 - 大塚博之

配給 - ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション - スタイルジャム、ハピネットファントム・スタジオ

製作幹事 - ハピネットファントム・スタジオ、スタイルジャム
製作 - 「グッバイ・クルエル・ワールド」製作委員会
(ハピネットファントム・スタジオ、KDDI、スタイルジャム、関西テレビ放送、GYAO、ビー・ブレーブ、グラスゴー15、グランマーブル、ニッポン放送、コンテンツ・ポテンシャル)
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