私は池井戸潤さんの作品がとても好きで、勧善懲悪で結末は分かっていても最後にスカッとするのが特に好み。
悪役は悪ければ悪いほど、憎たらしければ憎たらしいほど好み。
本作はある銀行の一支店で起こった現金紛失事件から露わになるメガバンクの不祥事から始まり、お金に翻弄される人々の物語。
原作未読だが、どうやら原作とは悪役の描き方が違うらしい。
確かに悪役が悪役に徹していない、むしろ皆それぞれ悪いことをしていて、あっさり反省しちゃう人もいたりして、中途半端な感じがいまいち不完全燃焼。
もっと思いっきり歯ぎしりしたかったのに😖
シャイロック( Shylock )とは、 シェークスピアの戯曲「ヴェニスの商人」に登場するユダヤ人の強欲な金貸しのこと。悪役として描かれ、冒頭に舞台の場面が出てくる。
では、「子供たち」は何を指しているのか。
お金と欲望に目が眩んで、またはやむを得ない事情で犯罪に手を染めて、破滅する危険と隣合わせで、シャイロックになり得る銀行員達のことなのかな?
黒田のセリフにあった「金は返せばいいってもんじゃない」の通り、お金を返すだけでは決して清算できない罪とどう向き合うのか。
お金のために魂を売った男たちの末路はどうなるのだろう。
そのあたりももう少し見てみたかった。
ATMの裏側初めて見た。
毎日あんな札束ばかり目の前で見ていたら、感覚がおかしくなりそう。
世の中には日々理性と戦ってる人が沢山いるのだろう。
西木のその後が知りたいが、正直本作の登場人物が全体的に薄く、半沢直樹や佃航平のようなインパクトも面白みもないので、続編はないだろうなぁ。