- 残るものってそんなに偉いんですか？
義理人情の世界のルールと
「いいね」というわかりやすい数字で決まる承認欲求の世界のルール
うまくいっていないが故に調和していた歪な歯車は
「成功」という蜜をきっかけにズレはじめる
そして形の見えない前者は、あっという間に後者に飲み込まれる
不毛な承認欲求戦争は
無秩序と消耗を生み、「炎上」する
承認欲求という業火に焼き尽くされたとき、残るのは何か
「笑顔」と「感謝」
知らない誰かにとっては全く無価値なそれが
救済になるのだ
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吉田恵輔の本気を見た
YouTube全盛の時代に映画としてその不毛さを、その不毛さそのものは否定しないでスクリーンに存在させる天才的な構成
岸井ゆきのがまずすごい
前半の売れないYouTuber時代はめちゃくちゃ芋くさいのにめちゃくちゃ魅力的だ
岸井ゆきのってこんな表情できたの？こんなにかわいかった？というシーンの連続
一転、成功以降の岸井ゆきのは垢抜けて一見素敵だ
しかし、その表情にはくっきりと空虚さが染みつき、全く魅力的ではない
テーマの本質を、岸井ゆきのはその変化でスクリーンに焼き付けている
ムロツヨシの変貌は少なくとも僕にとってはめちゃくちゃリーズナブルで辛かった
「誠意」という言葉を彼は繰り返すけれど、その意味が絶望的なまでに岸井ゆきのには伝わらない
一見ポップな見た目に釣られて観に来た人を絶望のどん底に突き落とすかのような映画だが、この映画のもたらす救済は「BLUE」の朝市でのシャドーを彷彿とさせるほどに残酷で美しい
YouTuberでなくとも思い当たることがたくさん必ずある、吉田恵輔らしい傑作だと思う
劇伴の空白ごっこの”いかにも”エモい音楽がまた映画を引き立てる
ここに長いレビュー書きつけるのも同じ地平線なんだよな、、、と思うと心苦しい
これ20日で撮ったってちょっと信じられない…
