家族で岩盤浴に行った時に、読みたい漫画が無くなんとなく映画が観たくなりVODのラインナップから本作「神は見返りを求める」を鑑賞。
吉田恵輔作品はほぼ全て観ているけど「ヒメアノ～〜ル」のサイコスリラー感が好き。2番目。
１番好きなのは「BLUE」で、監督得意のニヒリズム、人間・人生を斜めから見るようなイジワルさ、諦念が確実に在りながらも、その先にある優しさが滲み出ている。かと言って何か大それた良い事を語ろうとしていない佇まいが良い。（その点で「空白」は良く出来てはいるけどあまり好みではない。）
『人をコンテンツとしてしか見られない現代への問題提起』を監督一流のブラックユーモアたっぷりに描く。
で、「神は見返り」、面白くはあったんだけど吉田恵輔作品を存分に楽しむタイミングではなかったかなぁ、と。
YouTuberという題材をかなり前から構想してたらしい。公開時まさにガーシーの暴露系YouTubeが世間で話題になってたからタイムリーなんだけど、もう少し早く公開できてたら時代を先取りしてた作品になって良かったのかなぁと。
自撮り棒によるチャンバラシーン、とか随所に笑う所はあった。
「腕が長ーーーい壁ドン」とか「キャプテンアメリカみたいに盾を投げてみたら跳ね返るか」みたいなめっちゃしょうもないギャグシーンは好き。
宇多丸さんの本作時評で
「自分の人間的キャパを超えて“いい人”たろうとする、その危うさってあるよなぁ」的な事言っててナルホドと膝を打つ。田母神さんみたいな人、実際にいるし自分もそのような言動して尊敬されたい的な欲求あるよな、と。
ラストの解釈も素晴らしかったなぁ宇多丸さん。身体ボロボロになりながらも歩き続ける田母神。
『映画というアートフォームも瀕死の状態かもしれない。でも大丈夫、まだ大丈夫、、、。』
