綾辻安吾

鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカーの綾辻安吾のレビュー・感想・評価

2.3
クソコスプレ映画。

ってこき下ろしたいけど、所々に物凄く光る物があるのが残念。

まず、当然のように前作を観てる事前提の作り。
というかほぼ原作ファンのために作ってる。
原作知らないとマジで意味不明だと思う。
前作に出てきてないのに急に現れてくるやつも多いし。

前作と違って今作は、原作再現に兎に角力をいれてる。
オリジナルな展開を極力抑えている。

それが良いとは言えない作りなのが、もう、なんというか、、、!

VFXも相まって物凄くいいシーンと悪いシーンとの差が激しすぎて誰がこんな絵を作れといったんだ?本当に曽利監督が?これを?って思うほど雑なシーンも多く。

回想シーンでの後光がさしてる麿赤児とおにいちゃんにはもう水吹き出しそうになった。ひどすぎて。

今後どうするためかはわからないけど、パンダ娘は正直いらないし、ぶっちゃけスカーすらもいらなかったと思う。

もっとホーエンハイムとの話を深めておくべきだったんじゃ?と思った。

その要らなかったと言ってしまいたくなるスカーだが、ひどい。もう褒められる点はゼロ。

まっけんゆうー君の雪代縁(るろうに剣心実写版)は奇跡だったんだな、、、って。

予告の時点から酷いとわかってたけど、やっぱり本筋通してみてもひどかった。
なにその髪の毛の束感、毎朝整えるの大変でしょ?って思うほどキレイに揃った髪型。
目の周りアイラインですか?いやもう、アイシャドー塗ってません?って位に濃いメイク。
もう、コスプレなんよ。
コスプレイヤーのコスプレなの。

ほぼ浮浪者みたいな生活をしているはずのスカーがそんなに綺麗な肌で、歯真っ白で、髪の毛、ヘアスタイリングちゃんとしてるわけねぇだろばぁか!!!って叫びたくなる。

エドが随分くたびれたコートとインナーなので余計に違和感。
彼らよりも歳が上で戦火をくぐりぬけてきた人の質感ではないの。

漫画を実写に落とし込むという作業を完全に捨てているせいで違和感しかない、質の悪い2.5次元舞台を観ているかのよう。

そこに急に現れる街の民のモロ師岡のせいで日の出商店街ですか?ここ?
違和感が出るキャスティングするなと。

昔、デスノートの実写に出演した際に藤原竜也くんが言ってたんだけど「漫画のセリフを実写で言うと違和感しかない」その通りなの。
特に鋼の錬金術師はリアルからはかけ離れた作品なんだから、原作を兎に角現実、リアルに落とし込む作業が大事になる。

なのに、漫画をまんま、そのまんまやってるから。

スカーが「娘よ」ってウィンリィに言うと違和感しかない。
なんだ、娘よって。絞り出した低い声やめろ。
「おんな」「医者の娘」って呼べばいいじゃん?漫画台詞そのままやんなって。

もうスカーまわりの事をつつくとキリがないけど、イシュヴァール人を無理やり白髪にする必要あった?
前作でも同じことをレビューで書いたんだけど、子供にさせる白髪や、金髪ってもうただの不良なのよ。
他のキャラ全員に言える事だと思うけど、剣心別に赤髪にしてなかったでしょ?現実に落とし込むってそういう事なのよ。
アジア人を金髪にするとそれはドンキホーテに夜中居る奴になるし、ガキンチョを白髪にするともう、今日も渋谷で17時なのよ。

もうこの変にしとくね?

こっからは良かったで賞の発表。

まずはMVP、リン皇子を演じた、ウォズ。もうどっからどう見てもウォズだったよ。原作の胡散臭い明るさとかっこいい所どっちも再現出来てる素晴らしい配役。

キンブリー役の、もう一人の山田君。
こんなに素晴らしいのにたったの1シーンを二回使うだけというね、ほぼカメオ出演。ひどすぎ、次回作では紅蓮っぷりを発揮してほしいね。

キングブラッドレイの舘ひろし。絶対に話理解してないと思ったら案の定理解してなかった舘ひろし。けど、もうオーラと威厳だけですべてチャラ。大総統にしか見えない。すごい。あの世で渡さんも喜んでるよ。

エンヴィーの本郷奏多キュン。このクソオタクめ、あんただけだよちゃんととんでもないキャラクターを実写にしたときに違和感なくしてるのは。
仮面ライダーの敵でもここまで違和感なくすの難しいってのに、流石オタクだよ。最高だよ。

グラトニーの内山君、前作よりも出番増えて、しかもなんかもう、最高でしたよ?内山君いなかった世界線が考えられないよ。グラトニーをするために生まれてきたんだよ(内山君のお父さんお母さんごめんなさい)

そして、優勝は
前作に引き続き違和感ゼロのアルフォンスを作ったVFXチームと、アルフォンスを演じた水石亜飛夢くん
あなた方がいなかったらこの映画は耐えられなかった。
むしろアルが居てくれたから成立すると言っても過言ではない。
くぎゅよりもアルフォンスだったよ。

そして、みなさんが気になる外星人こと山本耕史くん演じる、アレックス・ルイ・アームストロングなんですが、論外。
ふざけんなと、別にまんま山本耕史君で良かったろと。
特殊メイクにあのふざけた髪型とヒゲのせいで雰囲気ぶち壊し。
魁クロマティ高校の実写観てるのかと思うほどのぶっこわれシーンだった。
特に酷いのが、直前のロイの部屋に皆が集まってる時はいつもの山本耕史君の大きさなのに、直後のトイレでロイとアームストロングが映るシーンでは何故かアームストロングを頭二つ大きく撮影している。
二人とも同じ身長でも別に問題なくない?
なにこれ?ふざけてる?めちゃくちゃ真面目で良いシーンなのにふざけてるの?
あしたのジョーの丹下(香川照之)並にひどかったよ?

俺の山本耕史君かえして。
綾辻安吾

綾辻安吾