みむさん

The Good Boss(英題)のみむさんのレビュー・感想・評価

The Good Boss(英題)(2021年製作の映画)
3.3
シアトル国際映画祭にて。

ゴヤ賞作品集含む6部門受賞。
「ロープ」「ラビング・パブロ」のフェルナンド・レオン・デ・アラノア監督 x ハビエル・バルデムのコンビ再び。社長は大変だぜ…を皮肉込めて描いたコメディのような印象。

計量機器メーカーの社長は新たに名誉ある賞を得るために、不況と従業員の不満に耐えながら会社の状態を良好に保とうと考えている。

一見従業員を守る良き経営者ではあるが、彼は自身の受賞コレクションやトロフィーに固執してるだけにも見える。
工場を立て直すというよりは賞を得るために笑顔を絶やさず水面下で動く。
従業員の解雇に心を痛めるもすぐに割りきっていくあたりはトップに必要な資質だとは思うけど。

会社のためだったはずがいつしか自分のプライドのためになり、解雇した従業員には毎日のように抗議される、美しいインターンを都合よく使う、トラブルは起こる……うまく取り繕ってるつもりが、周りの人は知っている。

人々の笑顔の裏に隠れている心情を察すると不穏な空気は漂いっぱなしな気がするが…。

計量機器メーカーということで「バランスを取る」比喩が何度か出てくる。
ハビエル・バルデムが演じる社長は懲りずに良くも悪くもバランスを取って生きていくんだと思う。

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