ゴヤ賞作品賞オリジナル脚本賞含む4冠のスパニッシュノワール。面白かった。西部劇のようなエンディングも良い。
「マーシュランド」主演のラウール・アレバロの監督デビュー作、アントニオ・デ・ラ・トレ主演。
初監督でいきなりゴヤ作品賞はすごいね。
復讐劇だからといっても派手にやるわけではない。
大切な人を殺されたその怒りをためてためてじわじわ復讐する。
ハリウッドのアクション映画みたいにすぐに殺りにいかないが確実に追い詰める。そして淡々と感情を抑えながら殺しても冷酷な仕事人になれるわけではないので迷う。
行き当たりばったりで実は計算ずくのようにも見え、さらに主演アントニオ・デ・ラ・トレの怒りを秘めた表情が最高。どんどん表情が変わっていき後半は目の座り具合が怖い。台詞や動きよりも目の表情て語る演技。
ホセはプロではなく普通の人、家族愛・人間愛と燃え上がるような怒りとの間で葛藤する様子も素晴らしい。
かと思えば唐突にブチキレたようにメッタ刺しとか。怒りと混乱が彼の中で渦巻いているのが伝わってくる。ずっと猛烈な怒りを内に秘めた姿を見せられるのでアントニオの演技もあいまって余計に際立つ。
この静と動のコントラストは「ドライヴ」を思い出す。
エンディングも絶妙な余韻残す。
リメイクする話があったはずだがどうなったんだろう？
