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テッド K ユナボマー 狂気の目覚めの消費者のレビュー・感想・評価

3.2
・ジャンル
ノンフィクション/クライム

・あらすじ
16歳にしてハーバードに入学、複数の博士号、数学者や最年少のカリフォルニア大学バークレー校助教授という経歴…
圧倒的な知能によって輝かしい実績を積んできた青年セオドア・カジンスキー(以降テッド)
しかし彼は社会に馴染めず逃げる様にモンタナ州リンカーンの山中で半自給自足生活を営む様になった
水道や電気さえも利用しない徹底された暮らしぶりで自然と触れ合う日々を謳歌していたテッドだったがそれを妨害する物として現代科学に支配された社会への怒りに悩まされてもいた
そしてとうとう“復讐”に手を染めていく
家宅や電柱、林業用の重機等の破壊…
初めは小規模な行動に収まっていたがやがて彼は独自に爆弾を製造し各所に送り付けるテロリストへと変貌
これは17年間にも及んだ凶行の最中の彼を描いた実話である…

・感想
高い知能を誇り学業の実績も多数築きながらも社会に順応出来ず、山小屋で隠遁生活を送りながら単独で爆弾テロを起こし続けた実在のテロリスト/シリアルキラー、セオドア・カジンスキー(通称ユナボマー)を題材としたノンフィクション作品
彼について詳しく解説している動画はこちら
https://youtu.be/by1dyM_eLy0?si=5lk9x7OcNzfn8iTc
https://youtu.be/_YUo5rBmnhE?si=0zSUCj6bm1CHupoO

2時間という長尺の作品なので彼の生涯や犯行の経緯及び背景などにもっとフォーカスしてくれるのかと思いきや山小屋での半自給自足生活と犯行、彼の心理等のみが描かれていたので正直少し期待外れ
人付き合いが苦手で自身の思考に閉じこもり過激化していく様の描き方自体は孤独である事を強調していて悪くなかったけど同じ様な事の繰り返しなので冗長だったのも否めない

端々で実際の報道映像を使っていた点は良かったものの爆破現場の描写も僅かでそこも物足りなかった
被害者をあまり描かない事で閉塞的な彼の心理を表現したかったのかもしれないけど犯行の規模感があまり見えて来なかったし、逮捕に貢献した弟デイヴィッドに関しても電話越しで声さえも流さないというのはさすがにどうなんだろうかと…
事件系の実話モノでありがちな捜査班側を主軸とした内容じゃなかったのは良かったんだけどせっかくの本人視点を上手く活かしきれていなかった様に思う

この内容なら1時間半くらいの一般的な映画の尺で十分だった気がする
主演俳優の容姿や芝居などは実際のカジンスキーがこうだったんだろうなぁ、と伺わせる巧みな物だったんだけどなぁ…

少なくとも言えるのは彼に関する予備知識がある程度ないと楽しみづらい作品なんじゃないか?という事
そして予備知識があってもそれはそれで物足りないし冗長なのでやっぱり切り取る期間や構成が悪かったと思う
後にも先にも類を見ない長期の単独犯なんだからもっとその恐ろしさをしっかり見せて欲しかった…
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