からかす

さかなのこのからかすのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
1.5
さかなクンをモチーフとしたミー坊の
好きなことをトコトン追い求めていく姿は
もちろん実際テレビで拝見するさかなクン、
様々なトラブルに巻き込まれながらも
俳優業が好きで好きで本作の主演を務めるのん、
全然関係ないけど個人的に一番好きなロックンローラー
甲本ヒロトに通じる部分が多く
確かにさかなクンを演じるべきは
のんで正解だと感じた。
(本作ののん演じるミー坊は言動ともにヒロトそっくり)

ただそれは映画外の情報で重ねて感じることであり
少なくとも劇中のミー坊はめちゃくちゃ魅力がない。
というか意図的に嫌な奴に描かれてる節すらある。
とにかく周りの善意のみで成り立っているような人物で
約束守らねえ人の嫌な事はする
水族館のバイトはほっぽらかし
寿司の仕込みはまともにやらない器物損壊罪は犯すと
もう無茶苦茶。
さかなクンの自伝の中に(読んでないので申し訳ないが)
仮に「自分は何もしてません。周りが優しかっただけです」
などと書いてあったとしても絶対そのまま映画化してはいけない。
これじゃ嫌な奴がただ周りに甘やかされているだけの映画だ。
そりゃあお父様に仰ることの方が正しいよ。

演出の意図もよく分からない。
急激にファンタジーな要素を入れてくると思ったり
今度は異様に生々しい要素を入れてきたり
映画のトーンが理解できない。
1シーン1シーンも無駄に長くてテンポも悪いし
いらないシークエンスもたくさんあったし。
ついでに言えば経済観もよく分からず
ご実家もとても裕福には見えないのに水槽は10も20も並び
一人暮らしでバイトも失敗続きなのに水槽は10も20も並び
やっと水槽を手放したらクレヨン買うお金にも困窮し
その割にお母様がお着物でいらっしゃるって
どういう経済観の世界の話なんだろうか。
ファンタジーだからどうでもいいってことなのか。

なにより!正直これで本作の評価が決定づけられたまであるが
映画始まって1ショット目の"注意事項"の文字。
「男か女かなんてどっちでもいい」(細部は違うかも)
どっちでもいいかは観る側・観た側が判断することであって
映画を観るスタンスを強制する演出は個人的には最低。

役者陣は微笑ましく好演、時折クスッとくるシーンもあるが
映画としては個人的には全く合わない。
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