宮澤正之と能年玲奈は「魂」のカタチが似てる。のかもしれない。でないと、あそこまで自然に「ギョギョッ！」だなんて不自然の極みのようなセリフ言えないでしょ。能年は「概念としてのさかなクン」を見事に演じ切っていたと思う。
ゆるふわ（決してそれだけの作品ではないのだけど）感をゴリ押しするような演出は若干くどいと思ったけど、全体的に撮影が素晴らしかったので集中が途切れるほどではなかった。『子供はわかってあげない』に比べると長回しは控えめで、程々にカットを割った観やすい編集になってる。その分「あの頃」の映画感は後退したけど、冒頭の不意の転落とラストダイブが繋がって「好き」の果てを見せつける映画的飛躍には感動した。
あと、父親がタコをシメるシーンで『ライトハウス』のカモメをﾋﾞｯﾀﾝしてるパティンソンの姿がオーバラップして一瞬どんな顔をすればいいか分からなくなっちゃった。まさかの恐怖演出に全俺が震撼ですよ。
