マサミチ

さかなのこのマサミチのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
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悪人が出てこないタイプの作品は非常に職人技の演出技術が必要だと思うのだが、この作品は"のん"とゆう少し浮いたお芝居をする女優さんを上手く捌いていると思う。監督は沖田修一。

緩やかだが確かに起伏のあるストーリーは笑いを散りばめつつ観客を飽きさせない事に成功しているし、根底にあるテーマは1つの自らの道を進む人間の素晴らしさを描くものであるのでシリアスだと思う。

ただし、性別を越えたストーリーを謳う割りには、夏帆演じる親友とその娘との束の間の共同生活の描写など、のん演じる役柄は作品の上ではあくまで男性なのだと脳内補正しなければならず、その後部屋を出ていった夏帆と娘へのやり切れない想いから酒に溺れる描写など、つまり結婚さえも夢見た相手に去られたショックなのだが、のんがそのままで演じているので感情移入は難しい…とゆうか不可能。

まァその前向きな性格から次々と認めてくれる人々に恵まれてサカナ博士への道を切り開いてゆく後半の展開は明るく、癒しの映画としてカルト作品化するのではないかと思う。

しかし、さかなクンって時々テレビで見掛けるくらいであまり知らなかったからネットで調べてみたら、ちょっととんでもない人だったんですね…。
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