沖田修一監督による沖田修一ワールドが全開になった作品！
『南極料理人』でその世界にハマり、以降沖田監督を追いかけてきたわけですが、この『さかなのこ』はまさに集大成！……と言いたかったのに、一部乗れないところがありました……。
まず、冒頭のテロップから笑えますよね。実際劇場内でも笑いが起こりましたし。ある意味わたしたちへの挑戦とも挑発ともとれるこのテロップが、この作品を的確に表しているのだと思います。
お笑い芸人でありタレントであり大学教授でもあるさかなクン。
その自叙伝を映画化したわけです。さかなクン自体が既にちょっと斜め上なので、その半生を描くと斜め上、そこに沖田監督ワールド入ると更に斜め上、結果トータル90度くらい斜め上なんですよね。もはや斜めじゃないですね。真上ですね。
そこで、ちょっと食傷気味になってしまいました。
余りにも作られた世界観というか、作られすぎたキャラクターたちが織りなすドタバタが辛くなってしまい……。日常にあるちょっと非日常な、はみ出したものが好きだったんですけど、ちょっとはみ出しすぎちゃってた気がするんです。
映画自体は面白いんです。のん演じるミー坊が、その型にはまらない自由奔放さ、純真さから周りの心を掴み導かれるように前に進んでいくところ、それを信じて支える母親と、とても良い映画なんです。
期待しすぎたか……、と反省しています。
