ゆうゆ

さかなのこのゆうゆのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
3.8

好きなことを貫く尊さと厳しさのファンタジーをのんちゃんとホンモノのさかなクンが絶妙の塩梅で魅せるやさしい世界観。
観ながらずっと、もうひとり わが道を全うするあみ子のことを思い出していた。あみ子を取り巻く世界が 釣り上げられ地上で喘ぐ息も絶え絶えの魚だとしたら、ミー坊のそれは海中を活き活きと泳ぐまさに水を得た魚。いつもきらきらした眼差しで海の生き物に注ぐ純粋な魚愛には誰もがひれ伏す(鰭だけに、こら)ほっこり展開が微笑ましくて、監督のどんな人も肯定するあったかい眼差しこそ日常の社会に蔓延るべきやさしい願いなのかもしれない。
イタさやばさと紙一重の微妙ラインを中性的なあどけなさで突っ走るのんちゃんの透明度抜群の無二の愛らしさ、彼女を受け入れる周囲の人々とのほっこりとした関係性が作品の鮮度を保ち 脇の演者さん達ももれなく愛おしいことこの上ない。
ただもう少し尺が短いのが理想。
ゆうゆ

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