南森まち

さかなのこの南森まちのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
2.8
魚が大好きな小学生は四六時中、魚に夢中。魚を釣って見て描いて食べて…本当に大好きで勉強にも身が入らないのだ。彼を心配する父親とは対照的に、母親は温かく見守るのだが…というお話。

全編に渡って、「好きなことで生きていくことは楽しい、けれどそれはむずかしい」…という話なんだけど、最後にさかなクンとして成功してしまうのがわかっているので、この後どうなるんだろうという不安や緊張感がないのが残念。
実はさかなクンの話だということを伏せた方が驚きがあって良かったかもしれない。

また、さかなクンの話よりも、友人たちがそれぞれ幼少時代は想像もつかない人生を歩んでいく群像劇として、面白かった。
特に印象的なシーンは、大人になったあとのシーン。
久しぶりにあった幼なじみの女性が社会人になり、背負い込んでいる苦労や悩みをを吐露する。そこで主人公が返すセリフが…。それを聞いて、友人が顔を歪ませるシーンはゾワッときました。主人公の狂気じみた無邪気さをうまく表現していました。