都部

注射針をブルーシートでの都部のレビュー・感想・評価

注射針をブルーシートで(2017年製作の映画)
2.1
身近な人間の死を通して生と死の境界に立たされる少女という筋を噛ませる事で言いたい事こそ理解出来るが、そうした死を間近に感じさせるエピソードに対する視点の凡庸さが目立つ作品で演出や言動が実を持ったそれとして掴めない、空回りした話として終始していたように感じる。
口火を切る突飛な死に対する生物としての本能的な拒否感を語るならば、作中で連続するその死の在り方を変えるべきではないと思ったし、受け入れる為の振りがあるだけにラストの叫びも胸には響かない。また人間の死に対する希薄な姿勢を帯びた人物としての描写がある訳でもなく、社会から浮いた存在としての強度の弱さも作品の性質上どうにも気になってしまった。
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