漱石の『夢十夜』の黒澤明版。全8話からなる。
第1話 日照り雨
狐の嫁入りの迷信。少年の私が嫁入り行列を見てしまう。
第2話 桃畑
五人囃子が演奏し、桃の木が伐採された段々畑で雛人形が舞う。
第3話 雪あらし
雪山で遭難した男が雪女に助けられる。サードマン現象のようなもの。
第4話 トンネル
英霊との邂逅。トンネルに第三小隊の足音が響く。最後、再びやってきた歩哨犬が吠えるシーンで、『注文の多い料理店』を思い出す。
第5話 鴉
ゴッホの絵の中へ。表現主義のような(違うけど)舞台セット。ゴッホ役でマーティン・スコセッシが出演。
第6話 赤富士
男は放射能を前に無駄な抵抗を見せる。
第7話 鬼哭
人の高さ程あるタンポポが見れただけで大満足。「鬼になりたいのか!」
第8話 水車のある村
葬式の行列のシーンが一番のお気に入り。
第6話から第8話まで、特にメッセージ性が強い。映像美というよりは造形美、な作品。