なーさん

夢のなーさんのレビュー・感想・評価

(1990年製作の映画)
2.5
昨日「八月の狂詩曲」を観て、そう言えばイメージ優先なのは、本作だったなぁと確認したくて見始める。八月も本作も黒澤明単独脚本。今まで共同脚本で独りよがりを防いでいたのだが、完全に黒澤明のイメージのみ映像化される事になっていた。人の夢ほど聴いている側には、何のことかさっぱりわからない。説明的な台詞や説教くさい台詞も増加。狐の嫁入りやひな祭りの一部映像なんか迫力がある。雪女は、ほぼ寝てしまう。トンネルから部下が出て来るのは本作の白眉であり、戦争に参加しなかった黒澤明の弁明にも見える。赤富士なんかは、ルーカスフィルムにぼったくられてる気もする。ゴッホも絵の中に黒澤明が入るという、内容で黒澤明がこんな陳腐なアイディア採用するのか?と当時思ったもんです。鬼の話もおもしろうそうだが説明過多。ラストの水車は迫力がある。でも話す内容は黒澤明の死生観を話しているようだが、あんまりピンとこない。スピルバーグの援助がなければ実現できなかったプライベートフィルムのような作品。そして、巨匠の晩年は、こういう心情になっているので変えようがないとも言える作品。
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