C

夢のCのレビュー・感想・評価

(1990年製作の映画)
3.9
黒澤監督作品初鑑賞。
青森の風俗が分かる本物の衣装を身につけたシーンがあると聞き鑑賞。
オムニバス形式でいろんなエピソードがある。古い作品だけど、映像がきれい。

自分もよく夢を見るが、不可思議で、ちょっと飛び飛びな場面転換の、でも現実世界の要素が組み合わさったような、ありそうでありえないシチュエーションの、突拍子も無い物語であることが多い。

見た夢が面白かったと思って語ろうとしても、ぶつ切りになり、うまく不思議で心地よく不気味なあの感覚を再現できないでいつも歯がゆい。
なので、こんなに美しく夢を映像で立ち上がらせられるなんてすごい。

デジタルリマスター版を鑑賞したのもあるけれど、映像、カットが美しく、今見てもまったく古臭くなく、とてもきれい。

短い物語の1つ1つは別物の夢という体だけど、全体を通してメッセージを感じる構成になっている。
黒澤監督はこんな夢を見ていたのかな。
多少脚色はあるだろうけど、当時の時代背景や、幼少期の経験や思い出、目にしたもの、見聞きしたものはこんな風だったのかな、などと、思いをはせるのも楽しい。
C

C