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線は、僕を描くのsujikoのネタバレレビュー・内容・結末

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

絵を描く人たちが本当に描く事が好きで堪らないという表情をしてるのがとても印象的だし、それだけで感動する。

偏見かもしれないけど、テレビ局がスポンサーにつくと、どうしても恋愛方向に話を持って行きがちになる傾向を感じるのだけど、霜介と千瑛は進む道が一緒の同志として描かれ、お互いエールを送り合うけど、一定の距離感を持って接してるのが好印象。

ワンコみたいな風貌と目で敬語で喋る横浜流星も良いし、既に大物の風格を持つ清原伽耶も素晴らしい。

そして三浦友和と江口洋介の素晴らしさ。
静と動の佇まいながら、ダイナミックな筆使いで本当の芸術家に見える。

作品としてとても良かったし、好きなのだけど、霜介と家族の関わりの部分だけ、引っかかってしまった。

罪悪感と後悔で逃げて3年もかかったのに、あの一度の訪問で全て解放されてしまうものなのか。あまりにも晴れ晴れとされるより、心にカタルシスを残しながらも前に進む姿を丁寧に描いて欲しかった。

あと、劇伴がとても作品に合ってて良かったのに、最後のエンドロールで流れる主題歌は蛇足なのでは。
サークルの軽いノリで水墨画やってるのなら、マッチしてたかもしれないけど、生業として水墨画を目指す人たちを描いているのなら、ラストは主題歌なしで終わった方が映えたと思う。
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