若大将オーウェン

線は、僕を描くの若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
4.0
メンタルヘルスを扱ったり、キャラクターがヒーリングを受ける(観客も)映画がここ数年で増えてきたが、これもその系譜

墨が紙に広がっていくような静かな感動

思いがけないコミュニティに飛び込み、水墨画に打ち込むことが主人公のセラピーになる

水墨画という題材と映画のトーンやテーマがばっちり合っていて、「ちはやふる」の演出を推し進めた良質な青春映画だった

「〜は奥が深い」というのは何にでも当てはまると思うけど、墨の濃淡だけで描かれた水墨画は本当に視覚的にも奥が深そうに見える

これだけ読むと静的な映画に思われるかもしれないが、ライブペインティングを冒頭・中盤・ラストに配し、見せ場もある。

特にタイトルが出るまではワクワクした。三浦友和の突飛な師匠キャラに見出され、何か始まる予感で満ちていた

三浦友和、江口洋介といった活き活きとした脇役、清原果耶の美しさ(河合優実も可愛かった)横浜流星の誠実さといった役者陣がみんな良かった

人が新しい何かに出会ったささやかな感動が全編に満ちてる良い映画でした