札幌国際短編映画祭ジャパンパノラマ部門に入選した矢野瑛彦監督の短編作品は、夜のネオンの輝く都会の光と主人公が抱える孤独を対比させながらドラマが展開していく。
飲食店を経営していた恋人の借金の肩代わりをすることになり、借金を背負った元お笑い芸人の優作は、或る男の持つバッグを盗むことを強要される。
バックの強奪には成功するが、そのことを切っ掛けに、ネオン輝く街を逃げ回る羽目になる。
都会の夜の賑わいとは対照的な、主人公の孤独で最悪な夜が幕を開ける。
この作品の終盤では、主人公の自分を裏切った恋人への思いや、故郷にいる母親が主人公に対する思いが交錯して、より複雑な心模様が描かれる。
人々夫々が抱く不安や焦燥、そして孤独を、恰も都会は、それをきらびやかな賑やかさで打ち消し、呑み込んでいるように見える。

監督の方とちょっとしたご縁がありまして。
「yes,yes,yes」との同時上映を。

避けられなかった流れの理不尽さと、ふとした時の暖かさが交互に襲ってくる。どうしようもない(出来ない)日々を繰り返しているうちに着地した先は闇広がる場所であった。そんな身近で等身大な闇を感じる短編映画でした。

最後の主人公表情が最高でした。

皆さまも是非観に行ってみてください！

「綺麗に重なって見える光も近づいて見てみると光同士離れている」みたいなセリフが印象的やった。
夜綺麗に見える光の中に目を凝らしたらこういう映画みたいな真っ暗な世界があるんでしょうね…生きてるうちは知りたくないですが。