ガンプラ監督

劇場版 Gのレコンギスタ V 死線を越えてのガンプラ監督のレビュー・感想・評価

4.0
8月8日に新宿ピカデリーにて鑑賞。当方、リアル等身のガンダム作品はほぼ網羅(SDとかはあまり把握してない)、幼少期に1stリアルタイム世代のレビューです。※若干のネタバレあり

まずは80歳を過ぎて全5部作を完成させた富野監督に敬服。TV版よりも主人公に行動の軸を感じる編集と内容になったとは言え、情報量の多さと、いい意味で説明しすぎない投げっぱなし感や、キャラクター全体に感じる「若さゆえの未成熟感」にみずみずしさを感じました。

第4部のラストが、劇場版ならではの新規カットも多く盛り上がったので、正直、第5部は少々期待しすぎて見に行ってしまった感は個人的にあったのですが、それでも中盤の「ユグドラシル戦」「トワサンガ陣営」とのバトルシーンは、女たちのエゴむきだしで、富野節全開。

地上に降りてからの実質ラストバトルになるGセルフ vs カバカーリー戦は、もうひとあじ劇場版ならではの要素が欲しかった気もするのですが…(黒い霧、フォトンサーチャーの下りはやっぱり説明不足に感じた)、あえてわかりやすいラスボスMS or MA戦にならないのが、Gレコらしさ…とも思いました(毎回、ジオングやターンXが出てきたら同じになっちゃいますもんね)。

いずれにせよ…芯がないままとっ散らかった印象が強いTV版はガンダムファンにもおススメしづらかったので、余計なシーンは省いて、新規カットで主人公の感情の流れや、クンタラ等、説明が足りなかった部分はより強調されて「何と戦っているのか」わかりやすくなった劇場版は、Gレコに挫折した人や、未見のガンダムファン、エヴァンゲリオンファン、エウレカセブンファン、あたりの人にこそ、ぜひ見て欲しい作品。

放映当時『ターンエーガンダム』がデザインや、内容的に食わず嫌いが多かったけれど、時間がたって再評価が進んだように、『Gレコ』も劇場版が完結した事で、時間をかけてファンになる人が増えていく…。そんな期待感持てました。

第5部は、スペシャルなMSが次々と登場して、プラモが欲しくなるパートなので、バンダイさん、このタイミングにMG Gセルフの発表、それから『Gレコ』ガンプラの再販、ほんとにお願いします(無いようなので、サブスク解禁のタイミングとかでも…)。MS、かっこいいですよ!

P.S. 劇場版だけのラスト、個人的には観れてとっても良かったです♪「良かった良かった♪」です!とってつけたような改編で多くのファンからも不評だった印象の「新訳Z」ラストのリベンジ、富野監督自らしっかり『Gレコ』で返された&完結させられたかと!やっぱり好きです!

P.S.2 スコアは…本当は興奮度で言うと第4部に「4」つけたいのですが…完結とラストカットにプラス評価で。個人的には「5」に近い好きな作品になりましたが、基本情報(世界観の把握など)が無いと、作品に入り込むのに時間がかかる事は否めないので、その点はマイナスで。ま、でもそれ言ったらエヴァやエウレカだって、「わかってるよね?」って前提の作品なんですけどね♪ 『Gレコ』と比べたら「ガンダムAGE」の丁寧なわかりやすさったら…ね(AGEも別なベクトルで好きになりましたが)。
ガンプラ監督

ガンプラ監督