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ザリガニの鳴くところのrexsolusのネタバレレビュー・内容・結末

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

 世界的に社会的格差の拡大が改めて大きな問題としてクローズアップされるとともに、近年極端な貧困層の生活を描く映画が増えてきているように思う。この作品もその大きな風潮の中にあると言えるかもしれない。
 悲惨な子供時代を過ごした主人公も最終的には、湿地の生物の美しい挿絵入り図鑑の作家として経済的安定を得るのだが、裁判の時点で最初の図鑑は出版されており、その作家として街の有名人になっているようなので、陪審員の湿地の少女に対する印象も大きく変わってるはず。それを利用して完全犯罪を成立させたということなのだろう。原作を読んでないので端折られているところがわからないけど、弁護士はまず本当に主人公が殺してないのかを裁判前に本人に確認したのではないのか。その時彼女は「私は殺ってない」と明言したのだろうか。もし彼女が犯人であることを知っていたなら、彼も完全犯罪の片棒を担いだことになる。自分自身を守るために相手を殺めてしまうことには同情的な意見が多いようだが、裁判において陪審員を欺いて無罪を勝ち取ることはまた別の話のように思うがどうだろう。
 湿地帯の風景はとても美しいが、高い湿度と大量の蚊で夏場はまともに眠れないのではと心配になった。
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